近年、わが国では少子高齢化が急速に進んでおり、財産を相続する家族が誰もいない、という事態が多く起きています。
このように、被相続人が亡くなったものの相続人が誰もいない場合、問題になるのが相続財産の行方です。
今回は、相続財産の行方と相続人不存在の場合の必要な手続きについて、わかりやすく解説します。
相続人不存在の場合、相続財産の行方はどうなる?
人が亡くなったときは、通常その財産は家族に相続されます。
しかし、亡くなった人に相続人が誰もいない場合、原則として相続財産は国庫に帰属することになります。
ただし、相続財産が国庫に帰属するのは、あくまでも何もしなかった場合の話です。
相続財産の処分について何らかの希望があるのであれば、生前に手を打っておく必要があります。
相続人不存在の場合の必要な手続きは?
たとえ相続人がいなかったとしても、特別に親しかった人に財産を残したいと思うこともあるでしょう。
そのような場合を想定して、民法で特別縁故者という制度が定められています。
特別縁故者による財産分与の申し立て
特別縁故者とは、亡くなった人に相続人がいない場合に、特別に財産を相続させる人のことをいいます。
「特別縁故者」にあたる人は以下のとおりです。
- 被相続人と生計を同じくしていた者
事実婚状態であった者や事実上の親子関係にあった者のこと。 - 被相続人の療養看護に努めた者
亡くなった人を業務としてではなく献身的に介護をしていた者のこと。 - その他被相続人と特別の縁故があった者
さまざまな事情を考慮した上で、財産を分与することが亡くなった人の意思に合致すると考えられる者のこと。
相続人が不存在の場合、特別縁故者は、その事実が明らかになったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に対して財産分与の申し立てを行うことになります。
公正証書遺言の作成
特別縁故者にあたるかどうかの判断や財産分与の額については、家庭裁判所が判断することになっており、希望どおりに認められるかどうかは不確実です。
そのため、確実に財産を残したい相手がいる場合は事前に公正証書遺言を作成しておくと安心です。
また遺言執行者を誰にするかを遺言書で指定することもできます。
まとめ
相続人が誰もいない場合、原則として相続財産は国庫に帰属することになりますが、特別縁故者であれば財産を相続することが可能です。
相続には専門的な法律知識が必要なため、弁護士に公正証書遺言の作成と遺言執行を依頼しておくと、スムーズに相続手続きが進められるでしょう。
相続人不存在の場合の手続きについてよくわからない場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。